遺伝子検査で“がんリスク”を診断

米国の女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが自身の卵巣・卵管摘出を切除したことは、まだ記憶に新しいところです。ジョリーさんは2013年に乳がんの予防のため両方の乳房を切除しており、今回も同じく“予防的切除”だといいます。ジョリーさんは87%が乳がんに、50%が卵巣がんになるリスクをもたらすBRCA1遺伝子(がん抑制遺伝子の一種)を持っており、実母は乳がんを患った末、卵巣がんで亡くなったそうです。
予防的切除については意見の分かれるところでしょうが、分子生物学の進歩により、将来罹患するであろう病気が、簡単な遺伝子検査で診断できる時代になったことは間違いありません。

2種類ある“遺伝子検査”

がんを治癒へ導くためのもっとも確実な方法は、いうまでもなく“早期発見・早期治療”です。早期発見の主力は画像診断や臨床検査ですが、最近は“遺伝子検査”の発達により、それらの検査で発見される以前、つまり、病気のリスクの段階で発見されるようになってきました。

人間の遺伝子が解読されたのは、おおよそ10年ほど前。以後の遺伝子医学には目を見張るものがあり、かつては200万円~300万円かかっていた遺伝子検査が、ほんの数万円でできるようになってきました。

遺伝子検査は大きく2つに分けられるといいます。親から受け継いだがんリスクを診断する「DNA検査」と、生活習慣などが原因で後天的に生じたがんリスクを診断する「RNA検査」です。ちなみに、がんの約18%は遺伝的なリスク、約82%は後天的リスクで発症するといいます。

東洋医学には“未病”という概念があります。病気を発症前の“種”のような状態で発見し、現実の病気になる前に治療するという考え方ですが、遺伝子検査の発達により、その究極の予防法がまさに実現されつつあるわけです。

DNA検査は多くの医療機関で実施しており、方法も唾液や頬の内側の粘膜を摂取するだけなので、誰でも気軽に受診できるでしょう。DNA検査で判明した遺伝的な病気リスクは生涯変動しませんので、一生に一度の受診で大丈夫です。

RNA検査には血液の採取が必要になりますが、20mlほどですので体への負担はほとんどありません。現時点、すなわち、リアルタイムでの病気リスクがわかる大変実践的な検査ですが、現在のところがんに限っていえば“胃がん”や“大腸がん”など限られたがんしか予測できません。しかし、この分野は急速に発展しておりますので、近い将来あらゆるリスクが特定されるようになるでしょう。

50歳を過ぎたら1次予防に留意

遺伝子検査のような“新しい検査”と対になって進められるべきは、がんの“一次予防”、すなわち、がんにならないために常日頃何を心掛けるかです。日常的にがんを予防する工夫を講じ、たとえがんになったとしても遺伝子レベルで補足する――。二つの要素がセットになれば、重度のがんに陥る確率は劇的に減少するに違いありません。

がんの一次予防で重要なのは食生活、ストレスマネージメント、睡眠などの生活習慣管理です。これらは詰まる所、DNAを損傷せしめる外敵要因から身を守る――ということに他なりません。がんはDNAの損傷を引き金に発現するからです。

そして、一次予防を一層強固なものにするのがサプリメントやアジュバントの摂取でしょう。50歳を過ぎたら、がんの一次予防に留意することが肝心です。

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がんと診断されたらどうするか

一次予防をきちんと実施していても、がんに罹患する確率はゼロではありません。不幸にもがんと診断されたら、どうすればいいのでしょうか?
まずは厚労省のガイドラインに乗っ取って手術、放射線、抗がん剤などの治療を受けることが肝心です。その上で生活管理に努め、再発予防のために予防型ワクチンを摂取すればベストでしょう。予防型ワクチンを使うと5年生存率が約25%改善するということがわかっているからです。

さらに、忘れてならないのは再発をチェックするための定期検査です。ただ、注意していただきたいのは、再発は多臓器に生じる場合が少なくありませんので、医師の中には“再発=治療不能”と思っていらっしゃる方がいる……という点です。ですので、ご自分の担当医が再発チェックに消極的な場合は、自らが進んで働きかける必要があるかもしれません。

いずれにしろ、遺伝子検査を上手に活用すれば、病気の“先手”を取れることは間違いありません。自分の健康状態を正確に把握するためにも、科学的に正しい治療を受けるためにも、遺伝子検査は有効な手段といえるでしょう。

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