いつがんになっても不思議ではない環境
発がんの原因はなんでしょうか?
さまざまな調査から総合的に判断すると、がん化にもっとも影響を及ぼしているのは、なんといっても「生活習慣」。細胞のがん化は食生活、放射線、紫外線、ストレスなどで遺伝子が損傷を受けることをきっかけにして進行するからです。
改めて現代を慮ると、食品に化学添加物や農薬が含まれているのは当たり前。環境の悪化で放射線や紫外線も避けられないし、常にストレスを抱えて生きなければならないのも現代人の宿命です。つまり、私たちはいつがんになっても不思議ではない環境の中で暮らしているわけです。
そんな過酷な状況にもかかわらず100%がんが発症しないのは、私たちの体に備わっている「免疫力」のお蔭です。現代社会では、がんにならないためにはもちろん、あらゆる病気から身を守るために、常に免疫力をアップしておくことが必須。アジュバント療法は免疫を活性化させることでがんを予防し、体を常に健康な状態を保つ効果が期待できます。
アジュバントとは免疫システムの“要”である樹状細胞の働きをサポートする物質のこと。通常はがんワクチンと一緒に投与され、ワクチンの効果を高める役目を果たしています。
免疫システムを若々しく保つ
樹状細胞は体内に侵入した“異物”の情報を、免疫システムの攻撃チームであるリンパ球に伝える、いわば免疫の総司令官の役割を担っています。免疫がどれだけ有効に機能するかは、樹状細胞がどれだけ正確に異物の情報を把握するかにかかっているといっても過言ではありません。
ことほど左様に重要な樹状細胞ですが、40代以上の年齢になると老化して活力がなくなってきます。それは他の免疫細胞も同様。加齢とともに免疫システム自体がスムーズに動けなくなってくるのです。若いときにはとても小さながん細胞でも排除できたのに、年を取るとついつい見逃してしまう――。この見逃したがん細胞が徐々に肥大化し、やがて生命を脅かすまでに成長してしまうわけです。
アジュバント療法を定期的に受診していれば、樹状細胞を若々しく保つ効果が期待できます。若い頃と同様の能力を維持できれば、小さながん細胞も見逃すことなくリンパ球に攻撃命令を出すことができるのです。
アジュバント療法の受診者の中には、「風邪をひかなくなった」「肌につやが出てきた」「疲れにくくなった」といった感想を述べる人もいます。この療法にかかわらず、免疫の活性化はアンチエイジングにもつながっている可能性があるのかもしれません。